「エアコンをつけているのに、部屋がなかなか涼しくならない」
夏になると、こんな経験をする人も多いのではないでしょうか。
設定温度を下げても涼しくならないと、故障を疑ってしまいますよね。
ただ、エアコンが冷えない原因は、必ずしも故障とは限りません。
フィルターの汚れや室外機の状態、運転設定など、自分で確認できる原因もあります。
この記事では、設備の仕事に携わってきた経験から、エアコンの冷房が効かないときに確認したいポイントを紹介します。
エアコンが冷えないとき、まず確認したいこと
エアコンの冷房が効かないときは、いきなり修理を工事店に依頼するのではなく、まず簡単なところから確認してみましょう。
不具合の大半は初歩的なものが多いので、よく確認せずに工事店を呼ぶと出張料が発生しちゃいます。
特に確認したいのは次の7つです。
- 運転モードや設定温度
- エアコンのフィルター
- 室外機の周辺
- 室内機の吹き出し
- 部屋の広さとエアコン能力
- 冷媒ガス
- エアコン本体の故障
順番に見ていきます。
① 運転モード・設定温度を確認する
意外と見落としやすいのが、リモコンの設定です。
冷房ではなく「送風」や「除湿」などになっていないか確認してみましょう。
筆者の自宅のエアコンは富士通ゼネラル製なんですが、リモコンの表示と実際に運転しているモードが違うことがあります。
※リモコンの液晶はボタンを押すと表示が変わりますが、室内機側はリモコンの信号を感知しないと変わりません。
また、設定温度が高すぎれば、当然ながら部屋はなかなか涼しくなりません。
まずは冷房運転にして、設定温度を適切な温度まで下げてみます。
ここで冷たい風が出てくるのであれば、エアコン自体は正常に動作している可能性があります。
② エアコンのフィルターが汚れていないか確認する
エアコンのフィルターがホコリで目詰まりすると、空気をうまく吸い込めなくなります。
すると、エアコンの能力を十分に発揮できなくなることがあります。
特に、
「エアコンから風は出ているけど、なんとなく弱い」
という場合は、フィルターの汚れを確認してみましょう。
エアコンは室内の空気を吸い込む際にフィルターを通しています。
フィルターが詰まっていれば吸い込める空気の量はすくなくなってしまいますね。
フィルターを外してみてホコリがびっしり付いているなら、清掃するだけで改善する可能性があります。
下記画像の汚れたフィルターをご覧いただければと思います。

このくっついた汚れの分だけ吸い込める空気の量が減ってしまうというわけです
ただし、フィルターを掃除するときは、エアコンの電源を切ってから作業するようにしましょう。
感電する可能性があるからです。
上の写真の奥に銀色の部分がうっすら見えています。
これは熱交換器という部品で、この部分に吸い込んだ空気を通すことで冷たい空気や暖かい空気を出せるようになります。
熱交換器にも汚れがこびりつくことがあるので、数年に一度は専門業者に分解洗浄を頼むと性能が落ちにくくなります。
③ 室外機の周りに物を置いていないか
冷房運転では、室外機も重要な役割をしています。
エアコンは室内の熱を外へ放出しています。
そのため、室外機の周辺が物でふさがれていたり、空気がこもったりすると、熱をうまく逃がせなくなることがあります。
専門的な言葉で、ショートサーキット現象といいます。
※下記図参照

例えば、
- 室外機の前に物を置いている
- 室外機の周囲を囲っている
- 植木などが室外機をふさいでいる
といった状態です。
過去に、エアコンの効きが悪いといわれて見に行ったところで、室外機に植物のツルがびっしり巻き付いていたことがあります。
室外機は「ただ外に置いてある機械」ではありません。
冷房を効かせるためには、室外機がしっかり熱を逃がせる環境も大切です。
④ 室内機から出てくる風を確認する
次に確認したいのが、室内機から出てくる風です。
冷房を入れてしばらく経っても、
「風がほとんど出てこない」
「風量が明らかに弱い」
という場合は、フィルターの汚れだけでなく、室内機内部の汚れやファンなどに問題がある可能性があります。
また、吹き出し口から出てくる風が本当に冷たいかも確認してみましょう。
ファンには扇風機と同じくモーターがついているので、壊れてくると出てくる空気の量が減ることがあります。
「風は強いけど、全然冷たくない」
という場合は、別の原因が考えられます。
⑤ 部屋の広さに対してエアコンの能力が足りているか
エアコンが故障していなくても、部屋がなかなか冷えないことがあります。
その原因の一つが、部屋に対してエアコンの能力が不足しているケースです。
例えば、広いリビングに小容量のエアコンを設置している場合、エアコンが正常に動いていても部屋全体を十分に冷やせないことがあります。
また、
- 大きな窓がある
- 西日が強い
- 天井が高い
- 断熱性能が低い
- 人が多い
などの条件によっても、冷房負荷は変わります。
「新品のエアコンなのに全然冷えない」という場合は、故障だけでなく、そもそもの能力が部屋に合っているかも考えてみましょう。
個人的にはリビングや寝室は滞在時間が長いので、部屋の広さより一つ能力が上のものの選定をおすすめしています。
⑥ 冷媒ガスに問題がある
ここからは、少し専門的な話になります。
エアコンは「冷媒」という物質を利用して、室内の熱を外へ運んでいます。
そのため、冷媒が漏れていたり、冷媒回路に問題があったりすると、冷房能力が低下することがあります。
冷媒に関する点検や修理は専門的な作業になるため、自己判断で分解したりせず、メーカーや専門業者に相談しましょう。
⑦ エアコン本体が故障している
ここまで確認しても改善しない場合は、エアコン本体の故障も考えられます。
例えば、
- エラー表示が出ている
- 室外機が動いていない
- 異常な音がする
- 水漏れしている
- 冷房運転しても冷たい風が出ない
などです。
エアコンは室内機だけで動いているわけではありません。
室内機と室外機、冷媒配管、電気系統など、複数の機器や部品が組み合わさって一つのシステムとして動いています。
そのため、原因によっては専門的な点検が必要になります。
上記のような症状が出た場合は早めに修理の工事店に連絡しましょう。
自分での分解は修理対応をお断りされることが多いです。
エアコンが冷えないときの確認順番
自分で確認できる範囲であれば、次の順番がおすすめです。
① リモコンの設定を確認
↓
② フィルターを確認
↓
③ 室外機の周辺を確認
↓
④ 吹き出す風の強さ・冷たさを確認
↓
⑤ 部屋とエアコンの能力を確認
↓
⑥ 改善しなければ専門業者へ相談
無理に分解して原因を探す必要はありません。
エアコンは電気・冷媒などを扱う機器なので、専門的な作業はプロに任せましょう。
「冷えない=故障」とは限らない
エアコンが冷えないと、「壊れたかも」とすぐに考えてしまいがちです。
しかし実際には、フィルターの汚れや室外機周辺の環境など、比較的簡単な原因で冷房能力が落ちていることもあります。
まずは自分で確認できるところをチェックして、それでも改善しない場合に専門業者へ相談する。
この順番を覚えておくだけでも、余計な出費を防げる可能性があります。
設備営業時代の体感ですと7割位は専門業者が不要な不具合です。
特に夏場はエアコンの使用時間が長くなるため、普段からフィルターを掃除したり、室外機の周辺を整理したりすることも大切です。
エアコンは「室内機だけを見る」のではなく、室内機・室外機を一つの設備として考えると、仕組みが分かりやすくなります。
設備の仕組みを少し知っておくだけで、普段の暮らしの中で「なんでこうなるんだろう?」という疑問も解決しやすくなります。
それでは、また次の記事で。



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