マンションの水はそのまま飲める?受水槽は汚い?戸建てとの違いと安全性を解説

🏠 給排水設備

「マンションの水ってそのまま飲んでも大丈夫なの?」

「受水槽の水は汚いって聞いたことがあるけど本当?」

「戸建ての水と何が違うの?」

マンションに住んでいると、このような疑問を持ったことがある人も多いのではないでしょうか。

特に受水槽方式のマンションでは、「タンクに貯めた水を飲むのは少し不安」と感じる方も少なくありません。

しかし結論から言うと、適切に管理されているマンションであれば、水道水は基本的にそのまま飲んでも問題ありません。

この記事では、設備業界での経験をもとに、マンションの給水方式の仕組みや受水槽の安全性についてわかりやすく解説します。


結論:マンションも戸建ても水は基本的にそのまま飲める

日本の水道水は、水道法によって厳しく管理されています。

浄水場で処理された水は、水質基準を満たした状態で各家庭へ供給されています。

そのため、給水設備が適切に維持管理されていれば、蛇口から出る水はそのまま飲むことができます。

ただし、

  • 長期間清掃されていない受水槽
  • 老朽化した給水管
  • 管理不良の建物

などの場合には、水質が悪化する可能性もあります。

そのため、マンションと戸建ての給水設備がどのような仕組みになっているのか知っておくことは大切です。

また、「飲める水」と「おいしい水」は別問題です

そもそもマンションの水はどこから来る?

マンションの水も、元をたどれば戸建て住宅と同じ水道水です。

流れを簡単にすると次のようになります。

浄水場

配水管

マンション・戸建て←ここに各種給水方式が関わってきます。

各蛇口

違いがあるのは、マンションの中でどのように水を各住戸へ送っているかです。

この方法を「給水方式」と呼びます。

各給水方式について、マンションでよくみられる方式について詳しく解説していきます。


マンションの主な給水方式は3種類

1. 受水槽方式

受水槽方式は、下のイラストのように、受水槽と呼ばれるタンクに一度水を貯めてから各住戸へ送る方式です。

一昔前のマンションでは非常に一般的な方式でした。

戸建てにこの方式が使用されることは昔も現在もほとんどありません。

メリット

  • 断水時に一定量の水を確保できる(ポンプが止まるとタンクまで水を取りに行く必要あり)
  • 高層建築でも安定して給水できる
  • 水道本管の圧力変動の影響を受けにくい

デメリット

  • 受水槽の清掃や管理が必要
  • 設備の維持費・更新費がかかる
  • 管理状態によっては水質悪化のリスクがある

実は

受水槽はいろんなところに設置されています。

皆さん外を歩いている時にクリーム色や銀色の大きなタンクを見たことはありませんか?

よく見てみると配管がつながっていたり、「有効水量」なんて文字が書いてあります。

そんな設備があれば高確率で受水槽です。

皆さんも街中でぜひ探してみてくださいね。


2. 高架水槽方式

受水槽に貯めた水を屋上の高置水槽へ送り、重力を利用して各住戸へ給水する方式です。

昔の中高層マンションでよく採用されていました。

屋上に大きなタンクが設置されている建物を見たことがある方もいるかと思います。

戸建てにこの方式が使用されることは昔も現在もほとんどありません。

メリット

  • 断水時に一定量の水を確保できる(高架水槽にたまっている分は通常通り使用可能)
  • 水道本管の圧力変動の影響を受けにくい

デメリット

  • 高架水槽の清掃や管理が必要
  • 設備の維持費・更新費がかかる
  • 管理状態によっては水質悪化のリスクがある
  • 高所設置のため、破損・倒壊した際のリスクが高い

近年では設備更新のタイミングで別の方式へ変更されるケースも増えています。

筆者も設備営業時代、高架水槽から割れて水が漏れてきたり、地震で傾いているようなものを何度か見たことがあります。

あとシンプルな問題ですが、水槽清掃の時高所に上るので危険です。

高所作業が必要なため、維持管理の負担が大きいという課題もあります。

メリットも大きい給水方式ですが、人の命のことを考えると高架水槽方式はどんどん減っていくのではないかと個人的には思います。


3. 直結給水方式

直結給水方式は、水道本管から各住戸へ直接水を送る方式です。

途中でタンクに貯めることがありません。

直結給水方式には2種類あり

マンションに多いのは増圧ポンプで水を送る直結増圧給水方式

戸建てに多いのはポンプなしで配水管の水圧のみで給水する直結直圧方式です。

近年新築されるマンションは非常に直結増圧給水方式が増えています。

※病院や工場など大量の水を使用する建物では、受水槽方式が採用されることが多いです。

メリット

  • 水が新鮮
  • 受水槽の清掃が不要
  • 維持管理費を抑えられる

デメリット

  • 水道本管の圧力条件に左右される
  • 建物によっては採用できない
  • ポンプ破損時・停電時は即断水

タンクの中に滞留する時間がないため、一般的には新鮮でおいしい水が飲めるといわれています。


受水槽の水は本当に汚いの?直結方式とどっちがおいしいの?

インターネット上では、

「受水槽の水は汚い・まずい」

という意見を見かけることがあります。

しかし、これは半分正解で半分間違いです。

水道水は配水時に塩素が含まれており、この塩素が雑菌の繁殖を抑えています。

しかし受水槽内で長時間滞留すると残留塩素が徐々に減少し、水温も上昇しやすくなります。

その結果、水道水特有の新鮮さが失われ、「まずい」と感じることがあります。

ではまずい水が安全ではないかというとそうではありません。実際には、

  • 定期清掃
  • 水質検査
  • 設備点検

などが行われています。

そのため、多くの受水槽のマンションでは飲んでも安全な状態が維持されています。

反対に、直結増圧給水方式は、受水槽を持たないため、いつでも滞留していない新鮮な水が蛇口から出てくるため、「おいしい水」と言われることが多いです。

まずい水=安全ではない水ということではないのでご安心ください。


受水槽にはどんな管理が義務付けられている?

有効容量10㎥を超える受水槽は簡易専用水道として管理義務が発生します。

主な管理内容としては、

  • 年1回以上の受水槽清掃
  • 定期的な設備点検
  • 水質検査
  • 外観点検

などがあります。

管理会社や建物管理者は、これらの維持管理を行うことで安全な水を供給しています。

普段は意識することが少ないですが、マンションの水は多くの人によって支えられているのです。


飲むのが不安な場合はどうすればいい?

基本的にはそのまま飲んでも問題ありません。

それでも気になる場合は、

  • 浄水器を設置する
  • ウォーターサーバーを利用する
  • 朝一番の水を少し流してから使用する

といった方法があります。

特に築年数が古い建物では、受水槽よりも給水管の老朽化が影響するケースもあります。

古い建物では鉄の配管が何十年と使われていて、配管内部が錆びていることも多いです。

水の色や臭いに異常を感じた場合は、管理会社へ相談しましょう。

マンションと戸建ての水はどちらが安全?断水時は?

マンションと戸建ての水の安全性と断水時の対応についてですが、表にしてわかりやすくしてみました。

評価項目戸建てマンション
水の新鮮さ○〜◎
管理状態個人次第管理会社次第
断水時の強さ受水槽・高架水槽なら○
安全性

上記の表を家選びの際の参考にしてみてください。


まとめ

マンションの水は、適切に管理されている建物であれば基本的にそのまま飲むことができます。

受水槽方式や高架水槽方式だから危険というわけではありません。

また、戸建ては設備が不要で滞留なく水が使えるので、マンションと同様安全です。

重要なのは給水方式ではなく、設備が適切に維持管理されているかどうかです。

近年は直結給水方式が増えていますが、受水槽方式も適切な清掃や点検が行われていれば安全性に大きな問題はありません。

新鮮でおいしい水にこだわるのであれば直結給水方式がいいかと思います。

普段何気なく使っている水道水ですが、その裏ではさまざまな設備と管理によって安全が守られているのです。

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