「蛇口をひねったら、水が茶色い……」
「これってそのまま飲んでも大丈夫?」
「マンションだから、受水槽が汚れているの?」
普段は透明なはずの水道水が茶色く濁っていると、かなり不安になりますよね。
このような水は、一般に「赤水」と呼ばれることがあります。
赤水の原因として多いのが、水道管などの金属部分から出た鉄さびが水に混ざることです。
ただし、茶色い水が出たからといって、必ずしも建物の設備に重大な異常が起きているとは限りません。
この記事では、設備の仕事に携わってきた立場から、赤水が発生する原因や、安全性、家庭でできる対処法についてわかりやすく解説します。
水道水が茶色くなる主な原因は「鉄さび」
水道水が茶色や赤茶色に見える原因として、代表的なのが鉄さびです。
水道管や建物内の給水管には、金属製の配管が使用されている場合があります。
長年使用している配管では、内部に少しずつさびが発生することがあります。
普段は配管の中に付着していても、
- 水を長時間使っていなかった
- 急に大量の水を流した
- 水道工事が行われた
- 配管内の水の流れが変化した
といったタイミングで、配管内部に付着していたさびが剥がれて水に混ざることがあります。
これによって、水が赤茶色や黄色っぽく見えることがあります。
朝一番に茶色い水が出ることもある
特に注意したいのが、長時間水を使っていなかった後の水です。
夜間に水を使わなかった場合、配管の中には長時間水が滞留することになります。
その間に配管内部の鉄さびなどが水に混ざり、朝一番に蛇口を開けたときに茶色っぽい水が出ることがあります。
この場合、
- 蛇口を開ける
- しばらく水を流す
- 徐々に透明になる
という状態なら、配管内に滞留していた水が原因の可能性があります。
ただし、長時間流しても改善しない場合は、別の原因も考える必要があります。
マンションでは「建物側の配管」が原因になることも
マンションや集合住宅では、水道本管から建物内の蛇口までにさまざまな設備があります。
例えば、
水道本管 → 建物の給水設備 → 給水管 → 各住戸 → 蛇口
というように、水がいくつもの配管や設備を通ってきます。
そのため、赤水が出たからといって、必ずしも水道本管そのものに問題があるとは限りません。
建物内の給水管などが原因となっているケースもあります。
特に古い建物では、現在ではあまり使われない種類の金属配管が使用されていることもあります。
工事の後に赤水が出ることもある
意外と見落としやすいのが、水道工事の後に赤水が出るケースです。
配管工事などによって水の流れが変化すると、配管内部に付着していたさびなどが剥がれて流れ出ることがあります。
例えば、
- 建物内の給水工事
- 水道管の工事
- バルブ操作
- 断水後の復旧
などの後に、一時的に水が濁ることがあります。
工事の直後から突然茶色い水が出るようになったのであれば、工事との関係も確認してみましょう。
設備屋時代、赤水の相談を受けた中で体感9割以上は工事関係での赤水でした。
「工事のお知らせの張り紙がどこかにありませんか?」と聞くと「あ~きてた!」となって解決のパターンです。
茶色い水は飲んでも大丈夫?
ここが一番気になるところですよね。
茶色く濁っている水は、原因が確認できるまでは飲用や調理に使用しないほうが安心です。
赤水の原因として鉄さびが考えられる場合でも、見た目が明らかに普段と違う水を「問題ない」と自己判断して飲み続ける必要はありません。
まずは水の状態を確認しましょう。
どうしても気になるという方には
下記の記事でも紹介したような、透明な容器に水を汲んでしばらく観察する方法も有効です。

透明になるまで水を流してみる
まず、蛇口から水をしばらく流してみます。
茶色い水が徐々に透明になり、その後は通常の状態になるのであれば、配管内に滞留していた水や一時的なさびの混入が原因の可能性があります。
透明になったことを確認してから、通常どおり使用するようにしましょう。
ただし、いつまで流しても茶色いままの場合は、そこで使用を続けるのではなく原因を確認することが大切です。
洗濯にも注意
赤水が出ているときは、飲み水だけでなく洗濯にも注意しましょう。
鉄さびなどが混ざった水を洗濯に使用すると、衣類に色が付着する可能性があります。
特に、
- 白いシャツ
- 白いタオル
- 白いシーツ
などは影響が目立ちやすいでしょう。
「水がちょっと茶色いだけだから」と洗濯機を回してしまうと、あとから衣類の変色に気づくことがあります。
赤水が出ている間は、原因を確認するまで洗濯を控えるのも一つの方法です。
自分でできる赤水の確認方法
水が茶色いときは、次のポイントを確認してみましょう。
① しばらく水を流す
まずは蛇口から水を流して、透明になるか確認します。
透明になった場合は、一時的な配管内の濁りだった可能性があります。
② 家中の蛇口を確認する
台所だけ茶色いのか、それとも、
- 洗面所
- 浴室
- 洗濯機
- その他の蛇口
でも同じ状態なのか確認してみましょう。
一つの蛇口だけで発生しているのであれば、その蛇口周辺や給水管が関係している可能性があります。
反対に、家中の蛇口で同じような状態なら、建物側の給水設備なども確認する必要があります。
③ 近所でも同じ症状が出ているか確認する
マンションなら、可能であれば近隣の住戸でも同じ症状が出ていないか確認してみましょう。
複数の住戸で同時に赤水が発生しているのであれば、個別の蛇口だけではなく、建物の給水設備や周辺の水道管などが関係している可能性があります。
こんな場合は管理会社などに相談しよう
次のような場合は、自己判断で様子を見るよりも、管理会社や水道事業者などに相談したほうがよいでしょう。
- 水を流しても透明にならない
- 何度も赤水が発生する
- 家中の蛇口で茶色い水が出る
- 赤水と一緒に異臭がする
- 黒色や黄色など、明らかに異常な色が出る
- 工事や断水の後から発生した
- 他の住戸でも同じ症状が出ている
マンションの場合は、まず管理会社や管理組合に相談すると、建物側の設備について確認してもらえる場合があります。
戸建ての場合は、水道事業者や給水設備の業者などへの相談を検討しましょう。
ごくまれに、受水槽清掃の後の水質検査で合格しない水の相談を受けることがあります。
その場合は管轄の水道局に問い合わせを入れて、建物に届くまでの間の配管や、そもそもの水に何か問題がないか確認してもらったことがあります。
日本の水は安全と言われてはいますが、絶対に大丈夫というわけではありません。
私のような設備の業界にいると「絶対は絶対にない」という言葉を叩き込まれます。
不安であれば一時的に飲み水をミネラルウォーターに変えるなど、対策をとって自己防衛していきましょう。
「白い水」と「茶色い水」は原因が違う
以前の記事では、水道水が白く濁る原因について解説しました。

白い水の場合、細かな空気の泡が原因となっているケースがあります。
一方、茶色い水では、鉄さびなどの異物が水に混ざっている可能性があります。
つまり、
白い=空気の泡によるものが多い
茶色い=鉄さびなどが混ざっている可能性
というように、見た目が似た「水の濁り」でも原因は異なります。
水の色だけで原因を断定することはできませんが、色の変化は設備の状態を確認するための重要なサインになります。
まとめ
水道水が茶色くなる「赤水」は、配管内部の鉄さびなどが水に混ざることで発生することがあります。
特に、
- 長時間水を使っていなかった
- 水道工事や断水があった
- 急に水の流れが変わった
といったタイミングでは、一時的に赤水が出ることがあります。
まずは水を流して透明になるか確認しましょう。
ただし、いつまでも茶色いままだったり、何度も繰り返したり、複数の蛇口・住戸で発生している場合は、建物の給水設備や水道管などに原因がある可能性もあります。
「ちょっと色が付いているだけ」と放置せず、状況に応じて管理会社や水道事業者などに相談することが大切です。
水道水は毎日使うものだからこそ、普段と違う変化があったときには、まず原因を確認してから使用するようにしましょう。


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